個人型確定拠出年金 愛称「iDeCo(イデコ)」

〜 税金を取られない投資信託!? 〜

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厚生年金への上乗せ

日本の民間企業の労働者は、厚生年金に加入します。
厚生年金の保険料は労働者と企業が半分ずつ負担することになっていて、労働者の負担分は給与から差し引かれています。
給与明細書で確認できるので、ご自分の保険料をご存知の方も多いでしょう。
保険料は給料が高い人程高くなっているため、将来の受給額も、現役のときに高い給料を貰っていた人程、高くなる仕組みです。

将来どれくらいの年金がもらえるのかは、日本年金機構の「ねんきんネット」で試算できます。
https://www.nenkin.go.jp/n_net/

厚生年金は3階建てや4階建てといわれる年金構造のうち2階部分にあたり、厚生年金基金・確定給付年金・適格退職年金・企業型確定拠出年金が3階部分にあたります。
iDeCoはその上の4階部分または3階部分のの企業年金がない場合の3階4階部分となる、個人で加入できる確定拠出年金です。

iDeCo(イデコ)とは、2016年につけられた個人型確定拠出年金の愛称です。それまでは個人型401kという通称が使われていました。
個人型確定拠出年金は、もともとは厚生年金以外の企業年金制度ある企業の会社員は加入できませんでしたが、2016年6月の法改正により、2017年1月からは、それらの会社員や公務員・専業主婦も個人型個人型確定拠出年金に加入できるようになりました。
(ただし、企業がマッチング拠出を導入している場合や企業型確定拠出年金の月額が35,000円超の場合は、iDeCoには加入できません。)
また、企業が導入している年金制度によって、iDeCoの拠出限度額は違ってきます。

確定拠出とは

確定拠出年金とは、従来の将来の給付額が決められている(確定している)確定給付年金と違って、拠出する金額(積み立てる金額)が決まっている年金のことです。

拠出したお金は自分で運用を管理できます。
投資に興味の無い方は、自分で運用することを面倒くさいと思われるかもしれませんが、国や企業に自分が将来もらうべきお金の運用を任せることの方がかえって不安ではないでしょうか。
自分のお金を自分で見張っていられるという点は、確定拠出年金の大きな利点だと思います。

運用商品は自分が決めた配分で複数購入でき、商品や配分を変更することもできます。
運営管理会社によっては配分をインターネットで変更できるところもあり、毎月のように配分比率を変えることができます。
頻度の制限などはありますが、購入済みの商品を一気に別の商品に変更すること(スイッチング)も可能です。

確定拠出年金で選択できる運用商品の多くは投資信託です。
投資信託とは、資産運用の専門家が多数の投資家から集めた資金を株式や債券などで運用し、その成果が投資家に分配されるという仕組みの金融商品です。 運用成績(景気や為替の変動などで左右されます)がよいとき投資家は多くの利益を得られ、運用成績が悪いときは元本割れすることになります。
投資信託の種類は、国内株式・国内債券・海外株式・海外債券などに分けられ、それぞれ収益性やリスクの大きさが異なります。

なお、投資の知識がなく自分で上手く運用する自信がないという方や、投資配分をマメに変えるのは面倒だというという方には、株式や債券などをプロが組み合わせて買いリスク分散してくれる、バランス型という投資信託もあります。 それよりさらにリスクを低くしたい場合は、預金や保険などの元本割れがない商品を選択することも可能です。
但し、元本割れがない商品は利率が低いため手数料を差し引くと拠出した金額より減ってしまうかもしれません
それでも、iDeCoの節税効果による税金の支払額減少までを考えると、トータルではプラスになることの方が多いでしょう。
管理手数料が無料の運営管理機関もあるので後述します。

拠出額(iDeCoの毎月の掛金)

会社員(第2号被保険者)の拠出限度額は、月額23,000円、20,000円、12,000円の何れかで、最低額は5,000円です。掛け金は千円単位で決めることができます。
限度額の違いは会社の年金制度によります。

会社の年金制度 iDeCoの拠出限度月額
なし 23,000円
企業型確定拠出年金 20,000円
企業型確定拠出年金と確定給付年金 12,000円
確定給付年金 12,000円

なお、会社員以外の拠出限度額は次のようになっています。

自営業者など 68,000円
専業主婦など 23,000円
公務員 12,000円

仮に月額23,000円を30年間拠出し続けた場合、拠出合計は828万円となります。
この場合、運用成績が悪くなければ資産額は1千万円を超えるでしょう。

なお、掛金は年に1回まで(毎年4月から3月の間で1回)変更することが可能ですから、家計に余裕がある年は多め、余裕がない年は少なめに調整して掛け金を決めると良いでしょう。

iDeCoの節税効果

これまでにご説明した通り、確定拠出年金の中身は預金や投資信託です。
ただし、確定拠出年金は通常の預金や投資信託より決定的に有利な点があります。
それは節税効果です。

通常、預金の金利には税金がかかります。
お気付きでない方もいらっしゃるかもしれませんが、預金で受け取る金利は税金を差し引かれたあとの金額です。
投資信託も、配当や売買で得た利益には税金がかかります。

それに対して確定拠出年金は、これらの税金がかかりません

さらに、確定拠出年金の掛金は全額所得控除の対象となります。

例えば、所得税率が20%の方が、月に2万円の拠出をおこなった場合、所得税は4万8千円(年間の拠出額24万円×20%)少なくなります。
また所得税だけでなく住民税も2万4千円(拠出額の10%)節税できます。
つまりこのケースでは、年間に7万2千円の節税ができるということです。
そして年間7万2千円の節税が10年続けば節税額は72万円、30年続けば節税額は216万円になるのです。
所得税率が10%の方でも、住民税とあわせると1年に4万8千円の節税、30年なら144万円も節税できます。

個人年金保険料控除との違い

確定拠出年金の所得控除は、生命保険料控除の個人年金保険料控除とは異なります。
確定拠出年金は確定申告書では「小規模企業共済等掛金控除」という欄に金額を記入し、全額を控除対象とできます。
生命保険料控除の方は最大5万円の控除しか受けられませんが、iDeCoは、会社員なら最大で27万6千円の控除が受けられます。

ちなみに、個人年金保険料控除とは別枠なので、個人年金保険料を支払っていれば、確定拠出年金と個人年金保険の両方の所得控除を受けることも可能です。

iDeCoのポータビリティ

確定拠出年金は、60歳になるまでは資産を引き出すことができません。
(50歳以上で加入した場合は60歳より遅くなります)
そのかわり、転職して会社をかわった場合などには、今までに積み立てた掛金を持ち歩くことができます。
個人型から個人型の確定拠出年金へはもちろん、個人型から企業型や企業型から個人型、あるいは、個人事業主として独立した場合なども、それまで積み立てた資産の運用を続けることができます。

会社が独自でおこなっている退職年金などは、退職した時点の中途半端な金額を渡されてそれまでの積み立ては取り崩されてしまいます。
会社にいた期間が長くなければ、一円も受け取る事ができないということもあるでしょう。
自分の年金を年金のまま残しておけるということは将来の備えを確かなものにできるということなのです。

確定拠出年金の受け取り

確定拠出年金で積み立てたお金を受け取るときは、年金として毎月少しずつ受け取ることも、一時金としてまとめて受け取ることもできます。

年金で受け取る場合は公的年金等控除の対象となり、一時金で受け取る場合は、退職所得控除の対象となるので、税金が安くなります。

確定拠出年金にどこで加入できるか

確定拠出年金は、事務委託先金融機関である国民年金基金連合会で年金資産の管理・保全を行いますが、実際の運営管理は国民年金基金連合会ではなく、銀行、郵便局、生命保険会社、損害保険会社、証券会社などの多くの企業が行っています。
それぞれに、扱っている運用商品(投資信託等)や手数料が異なるので、個人型に加入する際は比較検討してみてください。

ちなみに、運用商品の種類は、運用する人によって評価が異なってくるので一概にどこが良いとは言えませんが、手数料は簡単に比較できます。
イオン銀行「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」や、 SBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」 なら、口座管理手数料は無料です。
(別途、事務委託先金融機関・国民年金基金連合会へ支払う手数料は必要になりますが、これはどこで加入しても同じ金額です。)
また、運用開始後は現在の資産残高の確認や商品配分比率の変更、スイッチングをインターネット上で気軽に行えるのも便利です。

なぜ確定拠出年金(iDeCo)はすすめられるのか

法改正により、2017年から確定拠出年金の加入対象者は大幅に拡大しました。
それにともない、iDeCoの新規加入者も順調に増えているようです。
先に紹介したiDeCoの節税効果等を考えれば、これは当然の流れだといえます。
ところで、これだけ節税効果が高いものが普及するということは、税金を集める側(国)にとっては、税収が減ってしまうといいうことです。
税収を減らしてまでなぜ国はiDeCoをはじめとする上乗せ年金を普及させようとしているのかを考えてみてください。
そこまでしてでも、今、上乗せ年金を普及させておかなければ将来とんでもないことになるのではないか、というのは容易に想像できるでしょう。
今はまだ、iDeCo等の上乗せ年金は誰もが加入しているといえるほど当たり前のものだとはいえません。もしこれが当たり前のようになったそのとき、上乗せ年金をもらっていない人は少数派となり肩身の狭い思いをすることになるのかもしれません。
iDeCoへの加入で迷っている方は、加入時のメリットだけでなく、加入しなかったときの将来的なリスクまで検討してみると良いのではないでしょうか。



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