厚生年金だけでダイジョウブ!?

~ 給料と年金の関係 ~

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給料と厚生年金

会社員の基本的な年金である厚生年金は、給料から天引きして支払われます。
厚生年金保険料は被保険者である従業員と会社(事業主)が半分ずつ支払うことになっており、本人の負担額が少ない割には将来の受給額は高めであるといえます。
厚生年金の保険料は被保険者の給料によって決まってきます。
2010年9月時点での保険料は、被保険者(労働者)の収入の16.058%です。
給料が高い人は高額の保険料を支払い、給料が少ない場合は保険料も安くなります。
将来受け取る事ができる年金も、給料が高い人は多くなり、給料が低い人は少なくなるのです。

ですから、高い給料をもらって高額な保険料を納めている人は、老後は厚生年金だけしか年金を貰わなくても十分暮らしてはいけることになります。(厚生年金だけで現役のときと同じレベルの生活ができるという意味ではありません。)
反対に、給料が少ない人は保険料も少ないため、老後に受け取る厚生年金も少なく、厚生年金だけでは楽な暮らしはできないということになります。

老齢給付金の試算

自分が将来いくら位の老齢給付金を受け取れるのかは、日本年金機構のページで試算することができます。
http://www.nenkin.go.jp/

参考までに過去に厚生労働省が公表した、世帯タイプ別厚生年金給付水準には次のような試算例があります。
(いずれも2025年度からの受給者の場合)
1.夫は40年間就労 妻は専業主婦、現役時の平均手取り収入が 47.2万円の場合
 受給額は 23.7万円(現役時の50.2%)
2.40年間夫婦で共働き、現役時の平均手取り収入が 76.6万円の場合
 受給額は 30.1万円(現役時の39.3%)
3.夫は40年間就労 妻は子育て後に再就職、現役時の平均手取り収入が 66.4万円の場合
 受給額は 27.9万円(現役時の42.0%)
4.夫は40年間就労 妻は出産後に専業主婦、現役時の平均手取り収入が 52.1万円の場合
 受給額は 24.8万円(現役時の47.5%)
5.男性独身者が40年間就労、現役時の平均手取り収入が 47.2万円の場合
 受給額は 17万円(現役時の36.0%)
6.女性独身者が40年間就労、現役時の平均手取り収入が 29.4万円の場合
 受給額は 13.1万円(現役時の44.7%)

この試算をみると、受給額は現役のときの平均収入の36~50%程度であることがわかります。

当たり前のことですが、年金にはボーナスの支給がありません。
上の試算例1の23.7万円は、年収に換算すると284.4万円です。
月収23.7万円と聞けばなんとかやっていけるんじゃないかと感じる人も多いでしょうが、年収284.4万円と聞いても同じように感じるしょうか?
5番の男性独身者の月17万円は年間で204万円、6番の女性独身者の月13.1万円は年間で157.2万円です。

つまり厚生年金だけでは老後に楽な暮らしができない世帯がかなりあるということです。
日本の年金構造に基礎年金(1階)、厚生年金(2階)に上乗せした給付である3階部分が必要なわけもここにあるのです。

年金構造の3階部分には、厚生年金基金、適格退職年金、確定給付企業年金、企業型確定拠出年金などがあります。
これらは会社が選択する年金制度ですので、従業員が個人で選ぶことはできません。

まずは自分の会社で年金の3階部分の制度を利用しているのかどうかを確認しなければなりません。
残念ながら3階部分は何も用意していない企業もまだまだ多く、特に従業員の給料が低めな企業ほど年金制度も充実していない確立が高くなるでしょう。
このような場合、最後のよりどころとなるのは退職金ですが、公的な制度を利用していない退職金は、どれだけもらえるのか保証がありません。
最悪の場合、将来の会社の経営状態によって退職金がなくなってしまうこともありえるのです。

会社員といえども、老後の年金を把握しておく必要があるのです。
会社があてにならない場合、上乗せ年金を自分で用意しなければなりません。

自分で用意できる上乗せ年金のうち、節税上、特に有利なのが個人確定拠出年金です。

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